口腔ケアについて
歯科治療というと、虫歯が痛くなったときに受診するという印象があるかもしれません。しかし口腔ケアは健康全体に直結していると言われいます。
「最期まで自分の口で美味しく食べるということは一番の幸せであり、食というのは生きるのに必要であると同時に楽しみでもある」
歯の数が多い人ほど寿命が長いというデータもあり、食は運動能力や感覚など、色々な機能に関わっています。
また、食べないと認知症になる割合も増えると言われており、歯科医療が健康長寿を支えているとも考えられます。
歯科治療にとってケア(care)とはなんでしょう。
多くの方は自分で行う歯みがきのことだと思われるかもしれません。しかし歯科においては、治療した歯を虫歯や歯周病に再度かからないように、歯科医と患者様が両立して初めてケアと言えます。
患者様が行うケアは一般的にセルフケアといって、自分で行う歯みがきが主です。これに対して歯科医院で行うケアは、プロの手でサポートしていくプライマリ・ケア(プロケア)といいます。この2者が両立することで本当のケアが確立され、歯の健康が保たれるのです。
プライマリ・ケアがなぜ必要かというと、治療の効果を上げるためには予防や管理が不可欠であるからです。ケアが一流であれば虫歯の再発も少ないですし、歯周病の進行も防げます。
口の中の病気は感染症が主ですが、歯科疾患は生活習慣病ですから、先進疾患と繋がらない方がおかしいのです。
リウマチ、糖尿病にしても口腔内細菌との関係は明らかで、今日ではそのほかにも色々な疾患との関係がわかってきています。
プライマリ・ケアについてですが、代表的なのは定期的に歯科医院に通ってお口の汚れ(歯石、プラーク等)を取り除いてもらう、歯の表面について細菌の被膜(バイオフィルム)を剥がしてもらう(PMTC)、虫歯・歯周病の検査を行い、詳しく状態を見ていくことなどです。
PMTCは普段の歯みがき等では取り除けない細かな部分(細菌被膜)を細かな機材を使って取り除いていく方法です。
これらプライマリ・ケアを行うことで、口腔内環境を病気にならない状態にしていくことが最も重要です。
定期的に歯医者へ通いお掃除をしてもらう、また虫歯・歯周病のチェックを年に二回は行うと、無駄な治療費もかからず、経済的にも良いと思います。
ぜひメンテナンス(プライマリ・ケア)を忘れないで行っていただきたいですね。